千住真理子&スーク室内オーケストラ クリスマス・コンサート

数々の名曲を美しい弦の響きで


 ドイツ語圏やチェコの冬の風物詩として知られ、華やかなライトアップの下で人々の笑顔が行き交うクリスマスマーケット。今年の12月は東京オペラシティがそんな温かい雰囲気に包まれるかもしれない。プラハから、あのスーク室内オーケストラがやって来るのだから。
 作曲家ヨセフ・スークの名を冠し、世界的ヴァイオリニストであった同名の孫が2000年まで芸術監督を務めていた同室内楽団は、特に弦の響きの美しさに定評がある。得意とするレパートリーはバロックから現代音楽まで幅広いが、今回のコンサートではバッハ=グノーやシューベルト「アヴェ・マリア」からヘンデル「ラルゴ」など敬虔な旋律を会場いっぱいに響かせ、クリスマス・ムードを彩ってくれるに違いない。共演は日本が誇るヴァイオリニストの千住真理子。近年は講演や執筆活動などで多岐にわたる活躍を見せ、今年刊行した、がんと闘う母親と交わした43通の手紙を収録した『命の往復書簡2011〜2013』も各界から大きな注目を集めた。当日はクライスラー没後50年にあたる昨年リリースした最新アルバム収録の「愛の喜び」と「愛の悲しみ」も演奏予定。東日本大震災の被災地などでの演奏を通して、音楽が人に与える力についてあらためて気づかされ「誰かが悲しみのとき、寄り添えるひとでありたい」(アルバム『愛のクライスラー』ライナーより)という彼女。クリスマスの精神にこれほどふさわしい素敵な一夜はないだろう。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2013年12月号から)

★12月14日(土)・東京オペラシティコンサートホール Lコード 38314
問 ジャパン・アーツぴあ03-5774-3040 
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他公演 
12/1(日)・福岡/宗像ユリックス Lコード82920
12/4(水)・横浜みなとみらいホール Lコード 31929
12/7(土)・川西市みつなかホール Lコード 54594
12/8(日)・大阪/ザ・シンフォニーホール Lコード 52114
12/15(日)・宮城/中新田バッハホール  Lコード 24210
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