スローカー・トロンボーン四重奏団 結成40周年 ファイナル・コンサート

さらばスーパー・クァルテット


 最後の日本ツアーと聞けば心が騒ぐ。スローカー・トロンボーン四重奏団が、遂にファイナルを迎える。古称“神の楽器”たるトロンボーンは、その名に相応しい荘厳な響きで魅せると同時に、華麗かつ柔らかなソロや、美しく溶け合ったアンサンブルで耳を楽しませる。特に四重奏は、同種楽器の室内楽の中で最もバランスがよく重層的だ。その楽器の“教祖的”存在の1人がブラニミール・スローカーであり、彼が1973年に創設したのが同クァルテットである。結成40周年にして総決算となる今回は、前半が協奏曲(今村能指揮・フィルハルモニア多摩が共演)で、後半がクァルテットの演奏。前半は御大のソロ協奏曲に四重奏の協奏曲、後半はバロックもの、オペラの序曲、ミュージカル、映画音楽…と多彩な演目が並ぶ。メンバーは全員スローカーの教え子だから奏法や音色の統一感は比類なし。超絶技巧と完璧なハーモニーに感嘆し、豊饒な音楽に陶酔し、時にはユーモアに笑みが浮かぶ幸せなステージも見納め&聴き納めゆえ、絶対にお見逃しなく!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2013年11月号から)

★12月2日(月)・東京芸術劇場 Lコード 34189
問 プロアルテムジケ03-3943-6677 
ファイナル・ツアーの詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://www.proarte.co.jp