大野和士 × 都響コンサート 「ワーグナースペシャル」

いよいよ日本でも実現! マエストロ大野渾身のワーグナー

大野和士
C)Rikimaru Hotta
 大野和士は、今秋、新国立劇場オペラ部門の芸術監督に就任し、いよいよ日本のオペラ界の中核を本格的に担う。それと同時に、音楽監督を務める東京都交響楽団とは4シーズン目に入り、充実度を高めている。大野は、都響では、マーラーとその周辺の作曲家に取り組んでいるが、欧米での評価が高いワーグナーをまだほとんど手がけていない。しかしこの10月に、新宿文化センター主催公演で遂に都響とともにワーグナーのオペラの名曲を取り上げる。
 まずは《タンホイザー》序曲(ドレスデン版)から。大野にとって《タンホイザー》はかつてモネ劇場でも好評を博した演目である。次に《トリスタンとイゾルデ》の前奏曲と愛の死。名曲だけに都響とのコラボが待たれる。そして最後に《ワルキューレ》第3幕第3場。ヴォータンとブリュンヒルデの別れのシーン。歌手は大野が推薦するリトアニア出身の二人、アウシュリネ・ストゥンディーテ(ソプラノ)とアルマス・スヴィルパ(バリトン)を招く。大野が都響とどのようなワーグナーを生み出すのか、興味津々である。
文:山田治生
(ぶらあぼ2018年10月号より)

2018.10/28(日)14:00 新宿文化センター
問:新宿文化センター03-3350-1141
http://www.regasu-shinjuku.or.jp/