LEO(今野玲央)/箏アーティスト

「古典を学んだことで、自分の音楽に深みが増したと思っています」
 〜この夏、新譜「玲央 Encounters:邂逅」を発表した若き箏プレイヤーに聞く〜


 邦楽のニュー・ウェイヴ。二十歳の箏アーティスト、新鋭LEOが、昨年のデビュー盤に続く2ndアルバム『玲央 Encounters:邂逅』をリリースした。昨年、東京藝術大学の邦楽科箏曲(現代箏曲)で学び始め(入学直前に1stアルバムをリリースしている)、今年で2年目を迎えたことが、今回のアルバムに大きく影響しているという。藝大邦楽科は厳しいところで、1年間は外部演奏禁止。LEOは自分のレパートリーをいったん捨てて、基礎的な古典曲からみっちり学んだ。さらには先輩のレッスンの準備の手伝い、教室の掃除など、日常生活から師弟関係の厳しさを叩き込まれた。もともとインターナショナル・スクールで箏と出会い、自由に楽器と親しんできたLEOにとっては、しっくりこなかったかもしれない。
「でも、このアルバムのために1年ぶりに元のレパートリーに戻ってみたら、以前は気づかなかったことが見えていることがわかったんです。古典を勉強したことで自分の音楽に深みが増した。今回はヴァイオリンとのコラボ曲もあるので、間の取り方、フレーズのつなげ方、ブレスなど、日本と西洋の音楽の違いがいっそう際立ったように思います。成長を実感しています」

 アルバム・タイトルの『玲央 Encounters : 邂逅』は、そのヴァイオリンとのコラボの新曲の作品名による。箏とヴァイオリンが対等でありつつ、箏らしい、日本らしい表現をできるような作品を希望するLEOに、作曲者・大塚茜は八橋検校の古典曲 「六段」とシューベルトの「セレナーデ」を統合することで応えた。それは結果的に、日本の伝統と西洋音楽、古典と現代の出会いという、アルバム全体のコンセプトを、まさに象徴するような作品となっている。
 米国人の父と日本人の母を持つハーフのイケメンぶりや、LEOという横文字の芸名(本名=今野玲央 こんの・れお)から、アイドル的なポジショニングを想像したら大間違い。「いずれは邦楽界を引っ張るような存在に」と将来を見据える。そしてそのためにも、スタンドプレイ的な派手な振舞いでなく、邦楽界からも信頼されるような活動を積み重ねてゆく必要があるのだと、ぶれない姿勢が頼もしい二十歳。邦楽界だけでなく、音楽界は、信念を持つ若き演奏家をこれからも歓迎するはずだ。行け、LEO!
取材・文:宮本明


【information】
CD『玲央 Encounters:邂逅』

【収録曲】
大塚茜:邂逅─六段とSerenadeによる─/吉岡孝悦:箏のためのアラベスク/清水修:三つの詩曲/沢井比河流:土声Dosei/沢井忠夫:ファンタジア/今野玲央:鏡/Mirror/久石讓(冷水乃栄流 編曲):One Summer’s Day(あの夏へ)

【演奏】
LEO(箏/十七絃箏)

共演
髙木凛々子(ヴァイオリン)
森梓紗、スタンダール・ヨハン、マルカルロブソン・エドワード、川部紗也、長谷由香、パトラ・アルナンス(いずれも箏)、小林甲矢人、大谷めぐみ(十七絃箏)

日本コロムビア COCJ-40413
(高音質CD「UHQCD」採用)
¥2,222+税

オフィシャルウェブサイト
http://leokonno.com/