第12回 国際オーボエコンクール・東京

オーボエの新しきスターの誕生、そして名匠たちの豪華なコンサート


時に哀愁に満ち、時に官能的な音色で、聴く者を魅了するオーボエ。「国際オーボエコンクール」は、その真価を掘り下げ、優れた人材を発掘・育成し、国内外への活躍の場を広げるべく、ソニー音楽財団が開催している。12回目の今年、場を軽井沢から東京へ移し「国際オーボエコンクール・東京」として装いも新たにスタート。最終日には、審査委員のハンスイェルク・シェレンベルガーら世界的名手によるコンサートも聴くことができる。
同コンクールは1985年に創設された。第7回までは東京、第8回から前回までは軽井沢で、3年ごとに開催。世界の第一線で活躍する、数多くの人材を輩出してきた。今回は9月29日から10月7日まで開かれ、東京オペラシティでの第1・2次予選(9/29,9/30,10/2〜4)と、紀尾井ホールでの本選(10/6)は、すべて無料で一般に公開。本選では入場者に「聴衆賞」の投票権が与えられるのも嬉しい。
そして、期間最終日(10/7)に開かれる「入賞者&審査委員コンサート」も要注目。“採れたて”の入賞者たちが、シェレンベルガー指揮東京フィルハーモニー交響楽団のバックでR.シュトラウスの協奏曲、クァルテット・エクセルシオのメンバーとのモーツァルト「オーボエ四重奏曲」などを瑞々しく演奏し、お披露目となる。
さらに、シェレンベルガーやモーリス・ブルグ、古部賢一ら審査を担当した国内外の名匠が一堂に会し、サン=サーンスやテレマンなど、古今のオーボエの名曲を美音と妙技で次々に披露する。第11回コンクールで第1位となり、今まさに“旬”の奏者となった荒木奏美も、特別ゲストとして登場。パスクッリの難曲「《椿姫》の楽しい思い出」を、華麗に吹きこなす。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2018年9月号より)

第12回 国際オーボエコンクール・東京
第1次予選・第2次予選
2018.9/29(土)〜10/4(木)東京オペラシティ リサイタルホール
本選および表彰式
2018.10/6(土) 紀尾井ホール
GREAT ARTIST SERIES 第12回入賞者&審査委員コンサート
2018.10/7(日)14:00 紀尾井ホール
問:ソニー音楽財団03-3515-5261
http://oboec.jp/