【CD】バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ブゾーニ編) /塚谷水無子

 東京藝大楽理科卒業後オランダで学び、オルガンなどの鍵盤楽器奏者として活動する塚谷水無子。17、18世紀鍵盤音楽を専門とする彼女による、ブゾーニ編「ゴルトベルク」の録音。ブゾーニが新しい息吹を与えたゴルトベルクを弾くことで、普遍的なバッハ演奏について考えるという興味深い試み。楽器はブゾーニと縁のあるベーゼンドルファー社のピアノ。現代ピアノならではの柔らかい響き、滑らかな音のつながり、低音の力強さを生かした編曲の美点を際立たせて奏でる。オルガン風の響きを持つクオドリべット、大胆にも低音で奏されるアリアのメロディが新鮮な魅力を教えてくれる。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ2018年8月号より)

【information】
CD『バッハ:ゴルトベルク変奏曲(ブゾーニ編) /塚谷水無子』

J.S.バッハ(ブゾーニ編):ゴルトベルク変奏曲BWV988、「主イエス・キリストよ、われ汝に呼ばわる」BWV639、「来たれ、異教徒の救い主よ」BWV659

塚谷水無子(ピアノ)

Pooh’s Hoop
PCD-1712 ¥オープン