東京バレエ団、森山未來ら出演『Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018』概要発表

 3年に一度開催される日本最大級のダンスフェスティバル『Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018』(以下『DDD』、主催:横浜アーツフェスティバル実行委員会)が8月4日(土)から9月30日(日)まで、横浜市内全域で行われる。これに先立ち5月9日、ディレクターを務める近藤良平とドミニク・エルヴュ、出演ダンサーらが登壇し、第1弾出演者と企画概要が発表された。
(2018.5/9 スパイラルホール Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)

左より:東京ゲゲゲイ、ドミニク・エルヴュ、近藤良平、森山未來、長谷川達也、大前光市、柄本 弾、上野水香

 3回目となる今回も、港街・横浜ならではの景観を活かしたプログラムを展開。象の鼻パーク特設ステージでは、東京バレエ団による『横浜ベイサイドバレエ』(8/4,8/5)、コンドルズ特別公演(8/10)、義足のダンサー・大前光市と平山素子、近藤良平が出演する『近藤良平・ヨコハマ・ガラ』(8/12)などが行われる。その他にも、横浜の街を舞台に国内外のトップアーティスト公演から市民参加型の公演まで、コンテンポラリー、ストリート、ソシアル、チア、日本舞踊、バレエ、フラ・ポリネシアン、盆踊りなどとダンスのジャンル、国籍、ジェンダー、世代や障がいの有無を超えて、約200ものプログラムが予定されている。

 開催にあたり横浜アーツフェスティバル実行会委員長の澄川喜一は、「楽しい横浜になると思います。規模的にも内容的にも充実させた。様々なジャンルのダンス作品を鑑賞し、街中でのダンスパフォーマンスに参加するなど、大いに楽しんでほしい」と期待を込める。

澄川喜一(横浜アーツフェスティバル実行会委員長)

 
 同委員会名誉委員長の林文子横浜市長は、「自治体の中ではどうしても文化芸術に関することはあとに置かれてしまいがちだが、私は決してそうではない。文化芸術の素晴らしさを国内外に発信し、街に大きな賑わいをもたらしたい。横浜市が本当に心豊かな都市として、市民の皆さんとともに夢と希望をいだきながら、この事業を続けていきたい」と意気込む。

林 文子(横浜市長/横浜アーツフェスティバル実行会名誉委員長)

 今回の『DDD』の特徴は、近藤良平と『リヨン・ダンス・ビエンナーレ』芸術監督であるドミニク・エルヴュの2名をディレクターに迎えることだ。
 近藤良平は主に市民参加型プログラムをプロデュースし、駅前やショッピングモールなど横浜市の商業施設で、会期中の週末に市民ダンサー等が出演する『横浜ダンスパラダイス』を企画(現在、出演者募集中)。最終日となる9月30日には、フィナーレプログラムとして『横浜ダンスパラダイス』に参加したダンサーや観客が童謡「赤い靴」をモティーフにしたオリジナル音源で、近藤振付によるオリジナルダンス「レッド・シューズ」を一緒に踊る大規模なプログラムも行われる。
 近藤は「ただの1回のイベントで終わるのではなく、フェスティバルとして確実に大きくなってきている。ダンス自体も非常に身近になってきて、多くの方に参加いただき、『DDD』がダンスに触れる舞台になればと願っている」と語る。

近藤良平

 今年が日仏友好160周年、横浜市とリヨン市の姉妹友好都市提携60周年プレ・イヤーであることから、『リヨン・ダンス・ビエンナーレ』と連携したプログラムを実施(第18回『リヨン・ダンス・ビエンナーレ』の開催は2018年9月を予定)。インターナショナル・プログラムをディレクションするドミニク・エルヴュ(『リヨン・ダンス・ビエンナーレ』芸術監督)は、「『DDD』はアジアの振付シーンにおいて重要なフェスティバル。未来の観客を育てる役割を担っています。今回私が選定した作品は、バレエ、サーカス、ヒップホップと多様で、さまざまなお客様の多様性にもつながることを願っています」と述べる。

上演作品『バレエ・ロレーヌ公演』について語るドミニク・エルヴュ

 上演作品には、前衛的な演目の上演に定評がある『バレエ・ロレーヌ公演』(9/16,9/17)、イギリスを代表するコンテンポラリーダンスの振付家アクラム・カーンの名作『チョット・デッシュ』(8/22〜8/25)、リヨンを拠点に活動する気鋭サーカス・アーティストの『マチュラン・ボルズ公演』の他、日仏共同制作『トリプルビル』には人気ダンスグループ「東京ゲゲゲイ」が出演する。横浜で世界初演された後、日仏両国が進める「ジャポニスム2018」の公式企画として2カ月間にわたるフランスツアーも決定している。記者会見では、東京ゲゲゲイによるパフォーマスも披露された(パフォーマス動画は下記に掲載)。

東京ゲゲゲイ

 続いて出演ダンサーがコメントした。
 東京バレエ団プリンシパルの上野水香と柄本弾は、2012年の第1回開催時から同フェスティバルに出演している。3回目となる今回は、オープニングを飾る『横浜ベイサイドバレエ』(8/4,8/5)に登場する。
「横浜の素晴らしい野外のロケーションでバレエをご覧いただけるのは画期的で、楽しみで仕方のない舞台でした。今回も、皆さんに少しでもバレエを好きになってもらえるよう、団員とともに全力で踊ります」(上野)
「前回の2015年開催時には初めて『ボレロ』デビューを果たし、思い入れの強い舞台です。今回も『ボレロ』を踊れることが楽しみです。その他にも『タムタム』、『ドン・キホーテ』第3幕とバレエ団が盛り上がる作品が目白押しですので、楽しみにしていてください」(柄本)

左:柄本 弾 右:上野水香

 リオデジャネイロパラリンピック閉会式で注目を集めた義足ダンサー、大前光市は『近藤良平・ヨコハマ・ガラ』(8/12)に出演。
「今回のテーマは“ボーダーを超える”です。共演する平山素子さん、近藤良平さんは個性的な方で、最初は3人にボーダー(壁)があったのですが、稽古で試行錯誤して作品を創る中でボーダーがなくなってきました。象の鼻テラスは客席と舞台の距離が近く、ボーダーがない舞台、ぜひ観に来てください!」

大前光市

 ダンスグループ「DAZZLE」は、『ピノキオの嘘』(9/8,9/9)を上演。長谷川達也は作品について次のように語る。
「皆さんがよくご存じの『ピノキオ』を現代的にアレンジした作品です。人間とアンドロイドが共存する世界を舞台に、原作同様、人間になりたいと願うピノキオの物語を通して、果たして目指すものは人間なのか? という疑問を投げかける作品となっています。もともとDAZZLE9名の作品だったのですが、今回は若手をオーディションで選出し、9名だけでは表現できない作品として、よりグレードアップできればと思っています」

長谷川達也

 俳優・ダンサーとして活躍する森山未來は、ノルウェーの振付家・ダンサーのヨン・フィリップ・ファウストロム、ドイツを拠点に活動する音響空間作家の及川潤耶と創作した『SONAR』(9/25〜9/29)を横浜赤レンガ倉庫1号館 3Fホールで披露する。
「日本とノルウェーに共通するものとして捕鯨文化を考えました。クジラが持つ超音波は、何千メートルも離れた他のクジラと交信できますが、船のソナーによって妨げられることがあります。“振動”は生かすも殺すもできる。すべての物体は“振動”でできているというのがコンセプトです」

森山未來

 その他、開館20周年の横浜みなとみらいホールで行われる、ピアニストの福間洸太朗と齊藤一也、神奈川フィルの﨑谷直人、門脇大樹に、中村恩恵、首藤康之、米沢唯(新国立劇場バレエ団)らダンサーが出演する『音楽と舞踊の小品集〜四人の男たちが、舞踊家と響き合う印象派の世界』(8/30 昼・夜公演)や、ピアニストの三舩優子がフィリップ・エマールをパフォーマンスに迎えての『ピアノ・サロン・コンサート〜ノスタルジー巴里〜』(9/7)にも注目だ。

【動画】東京ゲゲゲイ『Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2108』会見パフォーマンス

Dance Dance Dance @ YOKOHAMA 2018
2018.8/4(土)〜9/30(日) 横浜市内全域〈横浜の“街”そのものが舞台〉
http://dance-yokohama.jp/