原田英代 ピアノ・リサイタル 第2回「葛藤」

ドイツ音楽がロシア音楽に及ぼした影響とは?

C)Uwe Arens
 無限の音色を引き出すロシア・ピアニズムの継承者・原田英代による“人間ドラマと音楽”をたどるリサイタル・シリーズが第2回を迎える。昨年のテーマ「さすらい」に続き、今年のテーマは「葛藤」。人生のさまざまな局面で生じる葛藤と、それを克服しようとする人間のエネルギーによって幾多の芸術が生まれた。今回原田は、ロシア音楽に影響をもたらしたドイツの作曲家として、ベートーヴェンの「悲愴」ソナタおよびシューマンの大作「交響的練習曲」を取り上げ、ロシア音楽からはメトネルの「回想ソナタ」、ラフマニノフの幻想的小品集・練習曲集「音の絵」・前奏曲集の小品を並べ、「葛藤」を巡る多彩な表現を聴かせる。
 このシリーズはリサイタルに続き「レクチャー&マスタークラス」が行われるのも特徴だ。レクチャーには、弦振動の可視化に成功した調律師の高田努をゲストに招き、弦の動きとタッチとの関係性に迫る。原田によるラフマニノフ作品の指導にも注目したい。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2018年1月号より)

リサイタル 2018.3/2(金)19:00 
レクチャー&マスタークラス 2018.3/8(木)18:00
Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
http://www.hakujuhall.jp/