スーパー・ソリスト meet 新日本フィル ウィーン=ベルリン ブラス・クインテット & 新日本フィルハーモニー交響楽団

最高峰の名技の饗宴

ウィーン=ベルリン ブラス・クインテット
 これは実に貴重な公演だ。世界最高峰の2大楽団の敏腕奏者が集った「ウィーン=ベルリン ブラス・クインテット」の面々が、協奏曲を披露する。金管楽器の協奏曲をまとめた公演は少なく、ましてや最高クラスの独奏で続けて聴く機会など極めて稀。それだけに、ここは見逃せない。
 メンバーは、トランペットがガボール・タルケヴィ(ベルリン・フィル首席)、ギヨーム・ジェル(ベルリン・フィル)、ホルンがトーマス・イェプストル(ウィーン・フィル)、トロンボーンがディートマル・キューブルベック(ウィーン・フィル首席)、テューバがアレクサンダー・フォン・プットカマー(ベルリン・フィル)と超豪華。2012、13、15年の来日公演でも絶賛された彼らの魅力は、超絶的な技量や美麗な音色のみならず、伝統の様式を踏まえた品性漂う表現で、楽曲の真価を十全に伝えてくれること。それゆえ協奏曲への期待も大きい。
 プログラムは、モーツァルトのホルン協奏曲第4番、ハイドンのトランペット協奏曲、グレンダールのトロンボーン協奏曲、アルチュニアンのトランペット協奏曲と、各楽器の代表作ばかり。音楽的な充実作が揃っているので、ブラスファン以外も必ずや楽しめる。さらにはクーツィールの金管五重奏のための協奏曲で、アンサンブルの妙技にも触れることができるし、この珍しい編成の曲のライヴは耳目双方で興味深い。加えて、生気に溢れた指揮者・下野竜也率いる新日本フィルも心強い援軍。10月には、木管五重奏の「アンサンブル・ウィーン=ベルリン」のメンバーが、同じシリーズで協奏曲を披露し、凄技の連続で驚嘆させた。さあ今度は金管の番だ!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2017年12月号より)

2017.12/21(木)19:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212 
http://www.triphony.com/