第4回高松国際ピアノコンクール記者発表

 2018年3月12から25日にかけて開催される第4回高松国際ピアノコンクールの記者発表が、10月25日に都内で行われた。同コンクールは06年にスタートし、4年に一度開催されている。これまでに、パヴェル・ギントフ(ウクライナ)、アレクサンドル・ヤコブレフ(ロシア)、クロエ・ジヨン・ムン(韓国)を輩出している。出場希望者の申込みはすでに締め切られ、32の国と地域から332名の応募があったという。DVDによる予備審査を経て、12月に出場者が決定する。
(2017.10/25 都内 Photo:I.Sugimura/Tokyo MDE)

青柳 晋(高松国際ピアノコンクール副審査員長)

高松国際ピアノコンクール審査員の池辺晋一郎(中央)と神谷郁代(右)

 今回、第3次審査に初めて室内楽が導入された。会見に出席した、川久保賜紀(ヴァイオリン)、河野文昭、長谷川陽子(チェロ)ら第一線で活躍する室内楽奏者たちとの共演で、シューマン、ブラームス、フォーレのピアノ四重奏曲よりいずれか1曲を演奏する。また、同じく第3次審査では、気鋭の作曲家・小出稚子によるコンクール委嘱作品“un poco don poco(うんぽこどんぽこ)”が課題曲となっている。香川県での開催らしく、うどんを打つリズムと狸の腹太鼓の音色「ポンポコポン」をイメージした作品だという。本選の協奏曲では、大友直人指揮による 瀬戸フィルハーモニー交響楽団が共演する。

左より:川久保賜紀、河野文昭、長谷川陽子(以上同室内楽奏者)

小出稚子(同委嘱作品作曲家)

 会見では、副審査員長の青柳晋がコンクールへの期待を次のように述べた。
「審査員の先生方にも今回は特に積極的に告知を行っていただいた。国際連盟への加入や前回の覇者ムン・ジヨンさんの活躍もあって、コンクールの認知度が非常に高まっており、これまでで最高の演奏水準が期待されると思います。第1次審査から1500席を有するサンポートホール高松大ホールで実施されるので、楽器をフルに鳴らす能力が求められますし、セミファイナリストたちは、室内楽でアンサンブル能力も試されます。また、小出さんの作品を海外からの出場者がどんな風に演奏してくれるのかも楽しみにしています」
 審査員は、審査員長の岩崎淑のほか、池辺晋一郎、ダン・タイ・ソン(ベトナム)、クラウス・ヘルヴィッヒ(ドイツ)、ミハイル・ヴォスクレセンスキー(ロシア)など10名。

高松国際ピアノコンクール
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