印田千裕(ヴァイオリン) & 印田陽介(チェロ)デュオリサイタル 〜ヴァイオリンとチェロの響き Vol.6〜

ロマン派の秘曲や現代の佳品を一晩で

 デュオの形では耳にする機会が少ない、ヴァイオリンとチェロの組み合わせ。印田千裕&陽介によるデュオは、姉弟ならではの息の合ったアンサンブルで、2つの楽器による響きの美しさを追求し続けている。6回目を迎えたリサイタル。多彩な作品を通じて、その魅力を掘り下げる。
 東京芸大から英国王立音楽院に学び、邦人作品の紹介など、しなやかな活動を展開する実力派奏者の千裕。そして、やはり東京芸大からチェコ・プラハ音楽院に学び、他の舞台芸術とのコラボレーションなど、独創的な活動を続ける陽介。共に国際的な登竜門で実績を重ねた2人は、知られざる佳品の発掘にも力を注いできた。
 今回は、19世紀の名チェリスト、フリードリヒ・アウグスト・クンマーが、フランスで活躍した作曲家フランソワ・シューベルトと共作した「デュオ・コンチェルタンテ」が軸に。やはり19世紀のH.A.ホフマン、20世紀のトッホ、クーカルや西村朗と現代の作品、さらにモーツァルトと、多様な手触りの二重奏曲を披露。2人の名手は、自在に時空を超えていく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2017年11月号より)

2017.11/8(水)19:00 王子ホール
問:マリーコンツェルト03-6914-2234
http://chihiroinda.com/