【会見レポート】バリー・コスキー演出《魔笛》、来春上演〜ベルリン・コーミッシェ・オーパー

 ベルリン・コーミッシェ・オーパー(以下KOB)が来年4月、東京・広島・兵庫でバリー・コスキー演出の《魔笛》を上演する。これに先立ち9月8日、KOBオペラ支配人のブレーキング・フィリップ・ラインハルトと広島公演で指揮をする山田和樹、読売テレビ専務取締役の本田邦章らが登壇し、記者会見を行った。
(2017.9/8 都内 Photo:J.Otsuka/Tokyo MDE)

左より)山田和樹、ブレーキング・フィリップ・ラインハルト(KOBオペラ支配人)

 今回のKOB来日引っ越し公演は、来年開局60周年をむかえる読売テレビが招聘する。その経緯を読売テレビ専務取締役の本田邦章は、「KOBの《魔笛》はひと味もふた味も違う画期的な新演出で、次にどういう展開になるのかハラハラドキドキさせられるプロダクション。この作品ならば日本で広く観ていただけると確信し、日本のオペラ史を変えてしまうぐらいのつもりで、この《魔笛》を日本に呼びたかった」と語る。

左より)山田和樹(指揮者)、ブレーキング・フィリップ・ラインハルト(KOBオペラ支配人)、本田邦章(読売テレビ専務取締役)

C)Iko Freese / drama-berlin.de

 演出を手がけたKOB総監督で首席演出家のバリー・コスキーは、今夏のバイロイト音楽祭で楽劇《ニュルンベルクのマイスタージンガー》を演出し大きな話題となったなか、2016年にはヨーロッパのオペラ専門誌で「最優秀演出家」に選ばれる等、世界で人気の演出家。
 《魔笛》は、ロンドンの演劇集団「1927」のスザン・アンドレイドと共同演出し、映像アニメーションと歌手が融合し、無声映画の技法を採り入れる等、斬新な作品となっている。12年11月の初演以来、ドイツ以外にヨーロッパ、アメリカ、アジア等、すでに21都市200回以上も上演しており、各地で高い人気を誇る。コスキーは10月にKOBで《美しきエレーヌ》の上演を控えているため、今回の会見にあわせて来日することは叶わなかったが、ビデオメッセージで「来年、桜の季節に《魔笛》を上演できることを嬉しく思います。皆様にお会いできるのを楽しみにしています」とのコメントを寄せた。

動画メッセージよりバリー・コスキー(右)

 KOBオペラ支配人のラインハルトは本プロダクションについて、「《魔笛》は最も知られていて、多くの方が観ているオペラ。コスキーは《魔笛》を演出しないと言い続けてきたが、演劇集団『1927』を観て、これならば魔笛のファンタジーが表現できると引き受けてくれた。我々の《魔笛》はこれまでに誰も見たことがない新しいステージ。いまも本拠地ベルリンで公演を行っているプロダクションのため、世界で上演するにあたり、《魔笛》のセットは3つ用意して上演に臨んでいる」と語る。

ブレーキング・フィリップ・ラインハルト(KOBオペラ支配人)

 
 広島公演で指揮台に立つのは山田和樹。今回海外オペラを日本で初めて指揮する山田は、今年2月にオペラ指揮デビューを果たしたばかり。本プロダクションはKOBで2月24日に指揮をした。その時の印象を次のように語る。
「演出だけでなく、オーケストラも素晴らしい。毎日演奏する演目が違うわけですが瞬時に対応し、指揮者の心を読む力に長けている。今回私を含め3名の指揮者がそれぞれ違った色合いを出すので、素晴らしい歌手の方々とともに音楽も楽しんでいただけると思います。《魔笛》は筋として簡単なオペラではないですが、映像を取り入れた本プロダクションは、非常に分かりやすいのが特徴。大人だけでなくお子様も楽しめる舞台になっています」

山田和樹

 本プロダクションは、映像に指揮を合わせる必要があるが、タイミングの取り方について質問がおよぶと、「映像によって音楽が制約されるということはありません。指揮者のテンポになぜか映像があわせてくれるという、21世紀の技術が結集しているのではないでしょうか」と山田が答えると、ラインハルト・オペラ支配人は「日本のコンピューター技術の方が進んでいるかもしれませんが(笑)、我々には非常に優秀なスタッフがいて、この公演が成り立っています」と自信をのぞかせる。

C)Iko Freese / drama-berlin.de

 日本公演では山田の他に、東京と兵庫公演をガブリエル・フェルツとジョーダン・デ・スーザの2名が指揮する。ガブリエル・フェルツはドルトムント市音楽総監督で、日本でも高い評価を得ている。一方のジョーダン・デ・スーザはカナダ人で28歳。今シーズンよりKOBの第1カペルマイスターに就任し、新シーズン最初の新制作《ペレアスとメリザンド》(バリー・コスキー演出)で指揮をする。ラインハルト・オペラ支配人はスーザを「彼はまだ無名の指揮者ですが、シューティングスター」と称する。
 出演はKOB所属の歌手が中心となり、タミーノ役はバイロイト音楽祭でデビューしている歌手、パミーナ役は今年7月のプラシド・ドミンゴ国際オペラ声楽コンクールで優勝した歌手が歌う予定だという。3人の童子はテルツ少年合唱団のメンバーが来日する。

C)Iko Freese / drama-berlin.de

C)Iko Freese / drama-berlin.de

【公演情報】
ベルリン・コーミッシェ・オーパー オペラ《魔笛》

指揮:ガブリエル・フェルツ、ジョーダン・デ・スーザ (東京・兵庫)
   山田和樹(広島)
演出:バリー・コスキー

2018.4/7(土)14:00 19:00、4/8(日)13:00 Bunkamura オーチャードホール
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337

2018.4/11(水)14:00 19:00 広島文化学園HBGホール
問:キョードー西日本092-714-0159

2018.4/14(土)14:00 19:00、4/15(日)14:00 兵庫県立芸術文化センター
問:キョードーインフォメーション0570-200-888

一般発売:2017.10月28日(土)
http://www.kob-japan2018.com