東京オペラシティ B→C195 大野若菜(ヴィオラ)

ヴィオラ界のホープが楽器のオリジナリティを追求

C)Cordula Groth
 ベルリン在住のヴィオラ奏者、大野若菜が東京オペラシティのリサイタルシリーズ『B→C』に登場する。1993年生まれの大野は、多くのヴィオラ奏者がそうであるようにまずヴァイオリンを始め、高校に入学する前にヴィオラに転向した。東京芸術大学附属高校の3年生であった2011年に、ブラームス国際コンクールで第1位を獲得。ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学に進学し、
15年5月から17年6月までベルリン・フィルのカラヤン・アカデミーに在籍。ベルリン・フィル公演にも数多く参加している。ヴィオラをアミハイ・グロシュ、清水直子らに師事。筆者は15年に彼女の演奏を聴いたことがあるが、正統的な技巧と音楽性を備えたこれからが期待される若手だと思った。
 『B→C』では、ドイツで学ぶ彼女らしく、バッハ、ブラームス、ヒンデミットの名曲が並ぶ。そして、現代曲は邦人作品に絞り、西村朗の無伴奏ヴィオラ・ソナタをとりあげるほか、大野の才能をいち早く見出した細川俊夫の「ヴィオラのための『息吹き』」は改訂版世界初演となる。共演が07年仙台国際コンクールピアノ部門優勝者の津田裕也であるのも楽しみ。
文:山田治生
(ぶらあぼ2017年10月号より)

2017.10/17(火)19:00
東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
http://www.operacity.jp/