夏目漱石生誕150年記念 東京文化会館 ジャパン・ソサエティー(NY)国際共同制作 長田 原:オペラ《Four Nights of Dream》(新演出・日本初演)

漱石の人気小説『夢十夜』がオペラに


 今秋、東京文化会館では夏目漱石の生誕150年を記念した3本の音楽企画を用意している。その幕開けを飾るのが、1990年代後半から米国と北欧を中心に作品を発表しているニューヨーク在住の作曲家・長田原(おさだ・もと)のオペラ《Four Nights of Dream》(全4場)日本初演。漱石の短編幻想小説集『夢十夜』の中の4編(第二、第十、第三、第一夜)を原作とするオムニバス形式の作品で、英語による台本は長田自身が手がけた。
 2008年にスウェーデンで初演された本作は長田のオペラ2作目で、音楽的特徴として、本人が「オペラの伝統へのオマージュとパロディ」を筆頭に挙げており、その響きは古典的な機能和声によってはいないが調性感を失うこともない。聴き手は20世紀前半の新古典主義を思い起こすかもしれない。登場する6人の歌手は、米国でのオーディションで選ばれた海外の若手実力派たち。各一人ずつの弦5部と木管5重奏に、打楽器、ピアノを加えたオーケストラには、東京音楽コンクール歴代上位入賞者が顔を揃える。指揮はクルト・マズアを父に持つ謙=デーヴィッド・マズア。日本の演劇界とも関わりの深いアレック・ダフィーの演出と、今年のトニー賞ミュージカル装置デザイン賞に輝いた俊英ミミ・リエンの美術により、東京文化会館小ホールの独特の空間を生かしたクールな舞台が生まれそうだ。チームは全員、米国公演を経て上野に乗り込むので、万全の仕上がりが期待できる。
文:宮本 明
(ぶらあぼ2017年9月号より)

2017.9/30(土)、10/1(日)各日15:00 東京文化会館(小)
問 東京文化会館チケットサービス03-5685-0650 
http://www.t-bunka.jp/