【ご招待】ハーモニーホールふくい 開館20周年記念 越のルビー音楽祭スペシャル

アーティストと学生たちの協働による新作初演 「未来の動物の謝肉祭」


「世界の非常に美しい25のホール」にも選ばれた優れた音響を誇るホール

 福井市の中心街より電車で15分ほど離れたのどかな田園風景の中に、突如現れる特徴的な大きな2つの屋根。それが、パイプオルガンが設置された1456席の大ホールと室内楽などに最適な610席の小ホールを擁する、福井県立音楽堂「ハーモニーホールふくい」だ。「世界の非常に美しい25のホール」において国内のホールで唯一選ばれるなど、優れた音響を誇る同ホールが今年開館20周年を迎えた。
 主催公演では意欲的な公演を次々と開催し、県内はもとより北陸地域から熱心な音楽愛好家が集う。開館20周年記念シーズンのラインナップは、デトロイト響、ウィーン響、トゥールーズ・キャピトル国立管といったワールドクラスのオーケストラ公演に加え、福井県ゆかりのアーティストが活躍する『越のルビー音楽祭』など実にバラエティに富んでいる。
 


「未来の動物の謝肉祭」

 開館20周年記念公演で特に注目したいのが9月23日に入場無料(要整理券)で開催されるコンサート『越のルビー音楽祭スペシャル』だ。公演は2部構成で、第1部では福井県内の小・中・高校の弦楽クラブや、ホールを拠点に活動する「福井ジュニア弦楽アンサンブル」が練習の成果を披露する。
 そして第2部は「未来の動物の謝肉祭」と題された、まさに“スペシャル”な企画。福井県出身・在住の作曲家4人と脚本担当の小説家、福井県内の中学・高校の美術部生徒、そしてデザインを専攻する大学生が協働し、サン=サーンスの「動物の謝肉祭」をベースに“新しい「動物の謝肉祭」”を創造するという一大プロジェクトだ。
 「ホールが開館20年なので、この20年間に生まれた学生たちとのプロジェクトを立ち上げたいと思いました。ホールにとって、音楽に関わる子どもたちは、既に“お客様”。そこで、今回は美術と音楽のコラボレーションをと思いついたのです。中学・高校の“美術部”にスポットを当て、生徒たちが活躍できるステージを創りあげることにしました」と、この企画のプロデューサーである橋本恭一(ハーモニーホールふくいプロデューサー)は語る。
 プロジェクトは以下のようにすすめられている。
 まず、「動物の謝肉祭」に登場する動物またはキャラクターに“対になる動物”を公募する。たとえば「象」の対なら「ハムスター」といったように。そして、その新しい動物とオリジナルの動物のアートワーク(彫刻や絵など)を美術部の生徒が制作し、動物たちにまつわる“物語”も創作する。作曲家はこのアートワークと物語をもとに、新しい動物の音楽を作曲。公演では、サン=サーンスの原曲に続いて対になる新作が演奏される。
 プロジェクトに応募してきたのが16校だったため、原曲の「動物の謝肉祭」(終曲も含めて14曲)にはない「セミフィナーレ」「間奏曲」の2曲も加え、新たに作曲する曲は全16曲とした。この2曲にも新たなアートワークと物語を学生が創作し、それをもとに作曲家が新曲を書き下ろす。
 福井工業大学デザイン学科の学生が曲ごとに映像作品を制作。本番では、生演奏に合わせ、その映像をスクリーンに投影する。脚本家は生徒たちが考えた様々な物語を集約して、朗読のための一連の物語にまとめる。
 そして公演では、映像が流れる中、「越のルビーアーティスト」10人による室内オーケストラが新曲を含めた全30曲を演奏し、俳優が生演奏に合わせて物語を朗読する。

作曲家・笠松泰洋、小説家・宮下奈都らが参加

 参加している作曲家4人は、幅広いフィールドで活躍する笠松泰洋を筆頭に、星谷丈生、旭井翔一、山下真実。新作16曲をそれぞれ4曲ずつ担当する。脚本は、『羊と鋼の森』で2016年本屋大賞を受賞した小説家の宮下奈都(福井県出身)が執筆。なんとも豪華なメンバーが学生との創作活動に挑んでいるのだ。
 笠松は「子どもたちが自分なりの感性をちゃんと持っているので、話を聞いていてとても面白い。僕らが書いた新作を聴いた彼らが『自分たちが創った美術作品への気持ちが音楽で表現されている』と思ってくれればいいですね。また、福井の後輩作曲家たちと一緒に仕事ができるというのもうれしいです」とコメントしている。

 中高生・大学生にプロの作曲家・作家・演奏家が様々なプロセスで意見を交換させ触発しあいながら、まったく新しい「動物の謝肉祭」を組み立てていくのだ。右から左といった時間軸に沿って一方向にのみプロジェクトが醸成されていくのではなく、様々な場所で同時多発的にクリエイティブな活動が行われ、それが公演当日にやっとひとつの作品として結実する。新しい協働のカタチかもしれない。会場でその瞬間を見届けてみてはいかがだろうか。
文:大塚正昭
(ぶらあぼ2017年9月号より)

{information}
開館20周年記念 越のルビー音楽祭スペシャル
第1部:弦楽アンサンブル・ステージ、記念式典 
第2部:未来の動物の謝肉祭
2017.9/23(土・祝)14:00 ハーモニーホールふくい
問:ハーモニーホールふくい0776-38-8288 
http://www.hhf.jp/


{読者招待}

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