アレッサンドロ・カルボナーレ(クラリネット)

クラリネットの限界を打ち破るヴィルトゥオーゾ

 ローマのサンタ・チェチーリア国立管弦楽団の首席クラリネット奏者で、ベルリン・フィル、シカゴ響など世界の名門オーケストラにも首席奏者として客演している、アレッサンドロ・カルボナーレ。その歌心あふれる音楽性とあっと驚く超絶技巧で聴衆を魅了し続けるヴィルトゥオーゾが、Hakuju Hallの人気シリーズ『ワンダフル one アワー』に登場する。
 今回は1時間という短めの公演だが、ウェーバー、ドビュッシー、バルトーク、ガーシュウィンなど、多彩な作品が並ぶ。
「僕のリサイタルのプログラミングは、クラシック、ジャズ、クレズマーといった異なるジャンルの作品を交えたバラエティ豊かなもので、今回はそれを凝縮してお届けします」
 ウェーバー「クラリネット小協奏曲」とドビュッシー「第1狂詩曲」はクラリネットのためのオリジナル曲。
「ウェーバーはもともとオーケストラとの協奏的な作品ですが、ピアノ伴奏でもとても美しいので、今回とりあげることにしました」
 プログラムの中でも、コヴァーチの「ショレム・アレイヘム」はひときわエモーショナルな作品だ。
「クレズマー音楽で、感情にダイレクトに訴えるパワフルな作品です。僕の即興のソロで始まるので、お客様が驚くような演出も考えています! また、『ガーシュウィン!!!』という変わったタイトルの曲は〈I Got Rhythm〉をはじめ3曲ほどの有名なメロディがちりばめられています」
 他にヴェルディのオペラ「《リゴレット》のアリアによる変奏曲」も演奏する。
「オペラはもちろん好きで、イタリア人にとっては伝統そのもの。言葉をつけて歌うように演奏することを心がけています」
 そもそも、なぜクラリネットをはじめたのだろうか。
「実はこれといった大きな理由はないのです。子どものころ、僕の手は小さかったので、Es管のクラリネットを吹奏楽で演奏しはじめたのがきっかけです。他にはサクソフォン、打楽器、ピアノも演奏したことがあります。また、クラリネットは、様々なジャンルの音楽を演奏することができる懐の深さが魅力です。ジャズ、クレズマー、民俗音楽…。この対応力の広さは他の楽器にはないと思います」
 ピアノはイタリアでも日本でも何度も共演している黒田亜樹。
「来日公演のピアノは必ず彼女にお願いしているほど、素晴らしいピアニストです」
 Hakuju Hallへは2012年以来の出演だ。
「ホールの響きがとてもクラリネットに合っていますね。前回はお客さんの反応も素晴らしかったのです。今回も“常識を覆すような”演奏で、皆さんに楽しんでいただけるようにがんばります!」
取材・文:大塚正昭
(ぶらあぼ2017年7月号より)

第28回 ワンダフル one アワー
アレッサンドロ・カルボナーレ クラリネット・リサイタル
7/26(水)15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
http://www.hakujuhall.jp/