ペドロ・アルフテル(指揮) 新日本フィルハーモニー交響楽団

“ラテン系”音楽のカラフルな魅力が全開

 新日本フィルは今シーズンから3つのシリーズで定期公演を行っている。その一つ「ルビー」は金曜日と土曜日の午後2時に開演される、つまりマチネーの公演である。
 その第6回目は指揮にペドロ・アルフテルを迎える。彼は1971年スペインのマドリード生まれ。ドイツで基礎を学び、ウィーン国立音楽大学でレオポルド・ハーガーに師事、その後さらにニューヨークで作曲を学んだ。2001年からニュルンベルク交響楽団の首席客演指揮者となり、母国スペインでも04〜15年に王立セヴィリア交響楽団の芸術監督を務めた。交響曲だけでなくオペラにも造詣が深く、現在はセヴィリアのマエストランサ劇場の芸術監督を務めている。また、作曲家としても活躍しており、今回の演奏会で取り上げられる第1曲目「グラン・カナリア島の鐘」も彼自身の作品である。
 そしてスペインで尊敬を集める作曲家・ロドリーゴの傑作「アランフェス協奏曲」では、日本を代表するギタリスト・鈴木大介が共演する。後半ではアルゼンチンの作曲家であるヒナステラのバレエ曲「エスタンシア」が取り上げられるが、この作品ではバリトンの独唱に井上雅人が加わる。
 スペイン語圏の作品ばかりを集めたコンサートは珍しく、またヒナステラの作品が取り上げられることもあまりない。ラテン系音楽の多様さを知ることが出来る公演で、春の午後にふさわしい、とてもカラフルなコンサートになることだろう。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ 2017年4月号から)

第6回 ルビー〈アフタヌーン コンサート・シリーズ〉
4/14(金)、4/15(土)各日14:00 すみだトリフォニーホール
問:新日本フィル・チケットボックス03-5610-3815
http://www.njp.or.jp/