タベア・ツィンマーマン(ヴィオラ) 〜無伴奏の夕べ〜

最高峰の名奏で味わう無伴奏の真髄

©Marco Borggreve
 “ヴィオラの女王”が帰ってくる! そう形容するに相応しいのが、王子ホールの「タベア・ツィンマーマン〜無伴奏の夕べ〜」だ。ドイツ生まれのタベアは、10代で頭角を現して以来、長年ソリストとして活動。ベルリン・フィル等の一流楽団と共演し、近年はケラスらと結成したアルカント・カルテットでも活躍している。3歳からヴィオラに専心した稀な奏者だけあって、濃密な音で自在に奏される音楽は吸引力抜群。この楽器でこそ表現し得る豊潤かつ深淵な世界を満喫させてくれる。
 王子ホールは、2014年に日本での15年ぶりのリサイタルを実現。彼女も圧倒的な無伴奏で驚嘆させたが、今回の演目も、バッハ、ヒンデミット、ストラヴィンスキー等の難曲ばかり。「シャコンヌ」を含むバッハのパルティータ第2番も聴きものだし、彼女のために書かれたリゲティのソナタは、全6楽章の多様性と相まって特に注目される。無伴奏ヴィオラの至難な技のみならず、音楽的な真髄を表出するのが彼女の凄さ。世界トップ奏者の“大人の音楽”を堪能しよう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2017年3月号から)

4/14(金)19:00 王子ホール
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990 
http://www.ojihall.jp/