ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指揮)

香港フィルは世界で最も優れたオーケストラのひとつになるでしょう

©Cheung Chi Wai

©Cheung Chi Wai

 来年4月、香港フィルハーモニー管弦楽団が29年ぶりの来日を果たす。
 「2006年に香港フィルを初めて指揮した時、更に成長する可能性がある、楽員それぞれの才能の芽が信じがたいほど素晴らしいオーケストラ。自分が水を注いでいけば、必ずその芽が実になる」と当時の出会いを語るヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(香港では“ヤープ”と親しみを込めて呼ばれている)が、香港フィルの音楽監督に就任したのは2012/13シーズン。音楽監督就任発表の記者会見では「香港フィルをアジアのベルリン・フィルに育て上げる」と述べ大きな注目を浴びた。両者の関係は音楽監督契約期間延長の更新の結果、現時点では2021/22シーズンまで続くことが決定している。
 「香港フィルは宝石です。才能ある各メンバーがこのオーケストラを素晴らしいものにしています。今後香港フィルは世界で最も優れたオーケストラのひとつになるでしょう」と並々ならぬ香港フィルへの熱い期待と思いが強く感じられる。
 今回の来日は、ヤープ自身も05年3月に東京フィルを指揮して以来、ひさびさの日本でのコンサートとなる。
「香港フィルの来日、長らくお待たせしましたね。日本のお客様はとても注意深く音楽を聴いてくださると記憶していますので、香港フィルを日本でお聴きいただけることはとても誇りに思っています」
 今回のプログラムはバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番とブラームスの交響曲第1番がメイン。バルトークのソリストは、香港フィル音楽監督オープニングコンサートや昨年の香港フィル欧州ツアーといった重要な演奏会でヤープと共演しているニン・フェンが務める。
 僅か19歳でコンセルトヘボウのコンサートマスターに就任し、その後指揮者に転向したヤープは、ニン・フェンについて「信じられないほどの可能性と素晴らしいテクニックや様々な音楽スタイルを兼ね備えたソリストで、バルトークにうってつけのヴァイオリニストと言えるでしょう」と全幅の信頼と期待を寄せる。
「バルトークのこの作品はハンガリーの民族音楽に深く根付いており、実に力強い曲です。ブラームスの交響曲とはよいコンビネーションだと思います」
 かつてレナード・バーンスタインとイスラエル・フィルがブラームスの交響曲第1番を、今回唯一の公演会場であるザ・シンフォニーホールで演奏したことを話すと、「レニーは自分が指揮者になるきっかけとなった特別の存在。そしてレニーはニューヨーク・フィルの音楽監督を長年務めていました。私がそのニューヨーク・フィルの音楽監督となり(2018/19シーズンより)、そしてザ・シンフォニーホールでブラームスを演奏することになるとは…」
 “La Forza del Destino(運命の力)”では? と向けると、ヤープは嬉しそうにほほ笑んだ。
取材・文:綾部浩司
(ぶらあぼ 2016年12月号から)

ヤープ・ヴァン・ズヴェーデン(指揮) 香港フィルハーモニー管弦楽団
2017.4/18(火)19:00 ザ・シンフォニーホール
問:ザ・シンフォニー チケットセンター06-6453-2333
http://www.symphonyhall.jp/