【動画】ラケーレ・スターニシ(ソプラノ)、《イリス》を語る〜バッティストーニ&東京フィル

10月からアンドレア・バッティストーニを首席指揮者に迎えた東京フィルハーモニー交響楽団が、バッティストーニの指揮で10月16日にBunkamuraオーチャードホール、20日にサントリーホールでマスカーニのオペラ《イリス》を上演(演奏会形式)。

イリス役として出演するソプラノのラケーレ・スターニシがイリスを語ります。
(Photo&Movie:M.Terashi/TokyoMDE)

【以下、コメント要旨】
◎日本で《イリス》を演じるにあたって

 2年前に新国立劇場の《道化師》ネッダ役で来日していたのですが、今回再来日し、みなさんにお目にかかれて嬉しいです。
 《イリス》は非常に独特なオペラです。マスカーニのオペラというと《カヴァレリア・ルスティカーナ》がありますが、それとは全く正反対の、繊細なオペラだと思っています。そこをみなさんに聴いていただきたいですね。別のマスカーニを聴いていただければ。
 イリスという女性は、壊れやすいけれども内面では強い力を持った女性です。彼女の強さ、生き抜いていく強さをエネルギーにかえて演じたいと思っています。
 ソプラノにとって、声だけでなく、テクニカル的にも難しい役です。フィナーレに向かってのところなど、ソプラノの聴かせどころ、見せどころだと思うのですが、怖い部分でもあります。
 オペラの中で「イォール」という人形がでてきますが、劇中ずっと持っているんです。人形に彼女自身を投影し、その人形に常に話をしているので、自分自身に見立てている部分もあります。彼女はおとぎ話の中で生きているような、現実世界のない、アニメのような世界に住んでいる女の子というような感覚です。

◎イリスを通して思う日本
 音楽的にも日本的なところがありますよね。マスカーニもプッチーニも日本には来たことがないけれど、音楽を聴いていると日本を想像できます。《マノン》や《蝶々夫人》の音楽を聴いていたら、こういうところなのかなと思う。マスカーニもそういう点では日本を想像させてくれる音楽を書いてくれています。あくまでも私の意見ですが、音楽的に《蝶々夫人》よりも素晴らしい音楽がありますよね、より興味深かったりします。あまり演じられないオペラですけど、良いところがたくさんあると思います。これを機会に頻繁に舞台としてやってもらえると、演奏してもらえるといいですよね。

◎日本のファンに向けて
 2年ぶりにみなさんの前で歌えるのを楽しみにしています。日本は大好きで、このお仕事のオファーをいただいた時、天にも昇るような気持ちでした。前回来た際に、日本の方々によくしていただき、アーティストや芸術に対してすごく尊敬の念を抱いてくださっているのがわかりました。そういったところが大好きなので、みなさんの前で歌うのが楽しみです。

■日本イタリア150周年記念公演
マスカーニ/歌劇《イリス(あやめ)》(演奏会形式・字幕付)

10月16日(日) 15:00 Bunkamura オーチャードホール
(当日券あり*)
*当日券・当日学生券(計50枚程度)を、13:30よりBunkamuraオーチャードホール当日券販売窓口にて販売
10月20日(木) 19:00 サントリーホール(完売)

指揮・演出:アンドレア・バッティストーニ
東京フィルハーモニー交響楽団

チェーコ(バス):妻屋秀和
イリス(ソプラノ):ラケーレ・スターニシ
大阪(テノール):フランチェスコ・アニーレ
京都(バリトン):町英和
ディーア/芸者(ソプラノ):鷲尾麻衣
くず拾い/行商人(テノール):伊達英二
新国立劇場合唱団 ほか

10月14日に行われた通し稽古より
10月14日に行われた通し稽古より

http://www.tpo.or.jp/concert/20161016-01.php