エリック・サティ生誕150年記念 音楽喜劇『メドゥーサの罠』

奇才サティが描く異色のドラマ

 これぞユーモア、そして一抹のアイロニーを含んだエリック・サティの真骨頂だろう。今年生誕150年を迎えるフランスの鬼才が書いた異色の劇作品『メドゥーサの罠』が久しぶりに上演される。娘フリゼット(ドルニオク綾乃)との結婚を申し出た青年アストルフォ(大槻孝志)に、メデューズ男爵(演出も担当する清水寛二)が罠をしかけようとする物語。登場人物の会話で構成された全9場に、機械仕掛けの猿ヨナス(武内靖彦)の7つの踊りが挿入され、踊りにのみ洒脱な音楽がつく。演奏はサティのスペシャリストの高橋アキによるピアノ版。“罠”とはいっても、実際はたいした事件も起こらないまま、決闘しに将軍らがやってくるというので一同逃走。召使いポリカルプ(重盛次郎)だけが残され、幕切れとなる。公演前半には、「3つのジムノペディ」「ジュ・トゥ・ヴ(あなたが欲しい)」などおなじみの名曲も高橋のピアノにより演奏されるので、そちらもぜひお楽しみに!
文:伊藤制子
(ぶらあぼ 2016年9月号から)

9/2(金)19:00 茅ヶ崎市民文化会館
問:茅ヶ崎市民文化会館0467-85-1123
http://www.chigasaki-arts.jp