せんくら 仙台クラシックフェスティバル 2015

10年目を彩る多彩なプログラム


 杜の都・仙台は催しものの多い街だが、秋に開催されるクラシックの音楽祭「仙台クラシックフェスティバル(せんくら)」もすっかり定着した。仙台市内の様々な会場で行なわれるコンサートはだいたいが1時間以内で、料金は1000〜2000円。2015年は10年目ということで、多彩なプログラムが組まれている。
 10月2日から順番に、オススメのコンサートを紹介したい。日立システムズホール仙台のシアターホールでは、せんくら初登場のヴァイオリニスト大谷康子が藤井一興(ピアノ)と一緒に「わが心の青春クラシック」というコンサートに出演(13時〜)。エルガー「愛の挨拶」、サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」、ピアソラ「リベルタンゴ」など、よく知られた作品を集めて演奏する。また同じ会場内の交流ホールでは、16時30分からイリーナ・メジューエワ(ピアノ)がバッハ「主よ、人の望みの喜びよ」「イタリア協奏曲」などを演奏。メジューエワの繊細なピアノでバッハを聴くのが楽しみだ。イズミティ21では19時から、仙台フィルと及川浩治、タン・シヤオタン(共にピアノ)が共演する。今年のせんくらでは事前に聴きたい作品のアンケートを実施。その第1位となったのがラフマニノフのピアノ協奏曲第2番だった。これを及川が熱く歌い上げる。
 10月3日は朝から動きたい。日立システムズホール仙台ではタン・シヤオタンが10時45分からリサイタルを(交流ホール)。バッハ・コレギウム・ジャパンでも活躍する鈴木優人(チェンバロ)が12時15分からバッハ、フレスコバルディ、武満徹などを演奏する(パフォーマンス広場)。仙台市の中心部のエル・パーク仙台では13時からギターの福田進一が「アルハンブラの思い出」などギターの名曲を演奏。イズミティ21では19時45分から上原彩子(ピアノ)、渡辺玲子(ヴァイオリン)が登場して、チャイコフスキーの2大協奏曲を華麗に演奏する。
 10月4日は、10時30分から太白区文化センターで1966カルテットがディズニーとスタジオ・ジブリのアニメーション名作の音楽を披露。同じ時間帯だが、日立システムズホール仙台では10時45分からスヴェトリン・ルセフ(ヴァイオリン)が無伴奏曲を弾く。欠かせないのはグランドフィナーレ。19時45分からイズミティ21で山下一史指揮の仙台フィルと松山冴花(ヴァイオリン)がブルッフを共演。そして恒例の「第九」、エルガーの「威風堂々」で2015年のフェスを締めくくる。
文:片桐卓也
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

10/2(金)〜10/4(日) 日立システムズホール仙台(青年文化センター)
イズミティ21(泉文化創造センター)、エル・パーク仙台、太白区文化センター
問:せんくら事務局022-727-1872
※文中で紹介した公演が完売の場合もございますので、最新の情報は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://sencla.com