日下紗矢子(ヴァイオリン/ベルリン・コンツェルトハウス室内オーケストラ・リーダー)

アンサンブルのバランスの良さが魅力です

©Kiyoaki Sasahara

©Kiyoaki Sasahara

 ベルリン・コンツェルトハウス管弦楽団と読売日本交響楽団のコンサートマスターを兼任し、ドイツと日本を往復する日下紗矢子。2009年からはコンツェルトハウス管のメンバーで構成されるベルリン・コンツェルトハウス室内管弦楽団のリーダーも務めている。大好評を博した13年の初来日に続き、この度同楽団2年ぶりの来日ツアーが行われる。
「メンバー全員が自主参加で、顔ぶれもほぼ変動がありません。定期公演は年3回。近年は録音に参加したり、トルコへの海外ツアーを行ったりすることもあります。プログラムや、編成、ソリストの決定まで私たちが責任を持てるので、とてもやりがいがありますね」
 今回のツアーは全国4ヵ所で、メインとなる曲が異なる2つのプログラムを用意。まずはツアーに共通する部分の聴きどころを語ってくれた。
「私たちの強みは、低弦がしっかりしていて、アンサンブルのバランスが良いこと。今回の演目は、その魅力をできるだけお伝えできるように選びました。前半はパッヘルベルの『カノン』で軽やかに始め、その後に私が独奏を務めるヴィヴァルディ『四季』が続きます。私たちはこの作品を何回も演奏しています。ダニエル・ホープの録音(マックス・リヒターによる『Recomposed』シリーズ)に参加したり、昨年はニコラ・べネデッティをソリストに迎えて、本拠地のコンツェルトハウス大ホールでも演奏しました。今回は、そうした彼らのユニークな解釈から得た多くの刺激を踏まえながらも、過剰な要素はできるだけ排した中庸の『四季』を目指したいと思います。そして後半の冒頭に置いたのが、バーバー『弦楽のためのアダージョ』。暗くすすり泣くような旋律を情感豊かに歌いながら、重くなり過ぎないように細心の注意を払いたいです」
 後半のメインは「弦楽セレナード」。7月19日と20日公演がチャイコフスキーで、16日と18日がドヴォルザークだ。前者は前回の来日でも披露した得意曲だが、後者は今回の直前にベルリンで初披露するそうだ。
「チャイコフスキーの作品はモーツァルトへのオマージュということもあり、純粋に演奏に集中して楽しめます。でも、ドヴォルザークは一筋縄ではいきません。第2楽章の揺らめくような旋律や、第4楽章の静謐さをどう描き、全5楽章の音楽としてまとめるか。現在はまだその設計図を模索中ですが、皆さんに新鮮な発見や喜びをお届けできるように精一杯頑張ります!」
取材・文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)

ベルリン・コンツェルトハウス
室内オーケストラ
7/16(木)19:00 武蔵野市民文化会館(小)(完売)
7/18(土)15:00 フィリアホール(045-982-9999)
7/19(日)14:00 笠懸野文化ホール(0277-77-1212)
7/20(月・祝)15:00 宗像ユリックスハーモニーホール(0940-37-1483)