スーパー・ソリスト meets 新日本フィル アンサンブル・ウィーン=ベルリン & 新日本フィル


アンサンブル・ウィーン=ベルリンといえば、その名の通りウィーン・フィルおよびウィーン交響楽団、そしてベルリン・フィルの首席奏者たちから成るスーパー木管クインテット。1983年に結成されて多くのコンサートや録音を行ってきたが、近年はアンドレアス・オッテンザマーをはじめとする若い世代のメンバー加入によって、顔ぶれがフレッシュになった。しかし言うまでもなく、演奏のクオリティは変わらない。今回の来日ツアーでは各所でその演奏を聴かせてくれるが、中でも特別なのは東京・すみだトリフォニーホールにおけるオール・モーツァルトのコンチェルト・ナイトだ。
カール=ハインツ・シュッツ(フルート)、クレメンス・ホラーク(オーボエ)、アンドレアス・オッテンザマー(クラリネット)、リヒャルト・ガラー(ファゴット)、そしてシュテファン・ドール(ホルン)の各奏者が入れ替わり立ち替わりステージに登場し、次々に協奏曲を演奏するのである。5人揃ってのアンサンブルではないが、むしろこういったプログラムのコンサート自体が珍しいし、モーツァルトの協奏曲をこれだけ一晩で(しかも名手の演奏で)聴けるということも特別なことだろう。しかも共演の新日本フィルを指揮するのが、かつてのメンバーでありOBのハンスイェルク・シェレンベルガーとくれば、さらにスペシャル感が増す。同じ釜の飯を食った仲…ではないが、同じ音楽語法を共有する演奏家たちだからこそ到達できる、個性豊かなモーツァルトの音楽を十分にご堪能あれ。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)

7/13(月)19:00 すみだトリフォニーホール
問:トリフォニーホールチケットセンター03-5608-1212
https://www.triphony.com