飛驒市文化交流センター開館10周年記念事業 オペラ《天生》 世界初演

人間愛と自然愛を描くドラマ

水口 聡 Photo:K.Miura
水口 聡 Photo:K.Miura

 飛驒市文化交流センターが10周年記念事業として新作オペラ《天生》を上演する。同センターがある飛驒市古川町では1970年代から国際音楽祭を開催。また、88年には飛騨古川音楽大賞を制定するなど、音楽への関わりも活発な町だ。
 《天生》は同市西端の天生峠一帯を舞台に、主人公の男女が神々らに導かれ、村人と力を合わせて自然災害から村を救う。自然との共生や、隣接する白川郷の合掌集落に残る住民の協力精神「結(ゆい)」をテーマにした、全2幕・約85分の作品だ。作曲は吹奏楽界のカリスマとしても知られる伊藤康英。市が、「日本語の美しさを大切に、お客さんが帰り道にメロディを口ずさめるような作品を」という彼の姿勢に共鳴した。
 飛驒市出身のテノール水口聡(神々の長)はじめ、オーディション選抜による若手、ベテランの歌手たちが名を連ねる。指揮は高橋勇太で、礒絵里子をトップに据えた特別編成の管弦楽と地元市民らの合唱が参加する。
 本当の「地方創生」はこうした挑戦から始まるのだろう。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)

2/13(金)18:30、2/15(日)15:00
飛驒市文化交流センター スピリットガーデンホール
問:オペラ天生プロジェクト事務局0577-73-0180 
http://www.kouryu-c.com