テトラヘドロン 第2回 アート×アート×アート〈音楽 × ダンス × 写真〉

4人のアーティストによるライヒ&ペルトの世界

 音響の良さと共に優れた企画で知られるHakuju Hall。2013年には、知的好奇心を刺激するシリーズ『アート×アート×アート』第1弾として作曲家の藤倉大をフィーチャーした。その第2弾が、音楽=加藤訓子、ダンス=黒田育世/中村恩恵、写真=高木由利子という顔ぶれで行われる。
 公演は2部構成。Part1では、加藤のマリンバと黒田のダンスでスティーヴ・ライヒの「ニューヨーク・カウンターポイント」「シックス・マリンバ・カウンターポイント」ほかを贈る。ライヒの「カウンターポイント」シリーズは加藤が、世界で初めて代表作3曲をパーカッションアレンジした、いわば彼女にとって自家薬籠中の作品。同種の楽器の音の反復から独特の響きを編み出すライヒの音楽が、強い個性と熱量で踊る黒田という“異物”を迎えてどう響くか、期待は高まる。Part2 では、アルヴォ・ペルトの「フラトレス」「鏡の中の鏡」「カントゥス」ほかを上演。加藤の演奏による抒情的な音楽の中、過去に自作でペルトを用いたこともある中村の、静謐さに情熱が滲む踊りをとくと味わいたい。
 Part1・2ともに、高木由利子がリアルタイムに撮影した写真を、舞台背面のスクリーンに映し出す。高木が音楽とダンスの“瞬間”を切り取り、それを受けてまた音楽とダンスが変容する——。観客にとっても唯一無ニの体験となるかもしれない。衣裳は三宅一生+Reality Lab.。4人の女性による3ジャンルのコラボーションは、どんな「テトラヘドロン」を創り出してくれるだろうか?
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

12/19(金)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700 
http://www.hakujuhall.jp