ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオーゾ

古典と現代が共鳴しあうステージ

 世界最高峰の名門、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の弦楽奏者5人で組織された、ベルリン・フィルハーモニー ヴィルトゥオーゾ(PVB)が、晩秋の日本へと降臨。モーツァルトやドヴォルザークなど古典作品はもちろん、ヴァイオリンの古澤巌を迎えて、強烈なラテンの芳香を放つタンゴの新作まで、多彩に披露する。
 1979年の結成以来、名門楽団の粋のようなサウンドと完璧な技巧で、世界中の聴衆を魅了し続けているPVB。メニューインやグルダ、ブレンデルら錚々たる巨匠ともコラボレートを重ね、名演を展開してきた。特に近年は、リーダーを務めている第1ヴァイオリンのラウレンティウス・ディンカにより、ピアソラなどタンゴ作品にもレパートリーを拡大。さらに新しいファンを獲得している。
 今回の日本ツアーには、古澤がゲストとして参加する2つのプログラムとPVBのみのプログラム(11/29,11/30)が用意された。古澤が出演するプログラムのひとつは、レスピーギ「リュートのための古代舞曲とアリア 第3組曲」やモーツァルトの「ディヴェルティメント K.136」、J.シュトラウスⅡの喜歌劇《こうもり》序曲が軸に(11/26,11/27,11/28,12/3)。そして、もうひとつは、ドヴォルザークの弦楽五重奏曲第2番やピアソラ「バレエのタンゴ」を核に据えた(12/2)。両プログラムとも、古澤の新アルバム『Virtuoso』で彼がPVBと録音した、イタリアの現代作曲家ロベルト・ディ・マリーノの手による「ヴァイオリン協奏曲」と、スペイン出身のアルトゥーロ・カルデラスによる「タンゴの幻影」が披露される。古典と現代が互いに共鳴し、絶妙なハーモニーを織り成してゆく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年11月号から)

11/26(水)19:00 紀尾井ホール
11/27(木)19:00 三井住友海上しらかわホール
11/28(金)19:00 ザ・シンフォニーホール
11/29(土)14:00 相模湖交流センター
11/30(日)14:00 板橋区立文化会館
12/2(火)19:00 紀尾井ホール
12/3(水)19:00 相模原市民会館
問:プリマヴェーラ・アーツ03-5422-7680 
http://www.primavera-arts.co.jp

【CD】
『Virtuoso ヴィルトゥオーソ’〜弦楽のタンゴ』
Hats HUCD-10163
¥3000+税