吉田裕史(指揮) ボローニャ歌劇場フィルハーモニー

プッチーニの名作で凱旋公演

吉田裕史
吉田裕史

 今年2月にボローニャ歌劇場フィルハーモニーの芸術監督就任が発表された指揮者・吉田裕史が同オーケストラを率いて凱旋公演を行なう。
 吉田は1968年生まれ。東京音大を卒業後、渡欧してミュンヘンなどで研鑽を積み、2006年からはイタリアを中心に活動している。
 ボローニャ歌劇場フィルハーモニーは、250年の歴史を誇るボローニャ歌劇場管弦楽団の主要メンバーによって08年に結成された、組織としては新しいオーケストラ。テアトロ・コムナーレにほど近いテアトロ・マンゾーニを会場に、オペラ公演の合間を縫うように、シーズン中の月に1度程度のペースでオーケストラ・コンサートを開催している。
 もし吉田のポストが、ダニエレ・ガッティ以来空席になっているボローニャ歌劇場の音楽監督につながる可能性があるとするなら、さらに楽しみだ。吉田は昨年も来日して、京都・清水寺でオペラを上演し話題となったが、今年も二条城で《蝶々夫人》を上演したあと、Bunkamuraオーチャードホールで東京公演を行なう。こちらは演奏会形式による《蝶々夫人》ハイライトとプッチーニのオペラ名曲集。アンナリーザ・ラスパリョージ(ソプラノ)、アントネッラ・コライアンニ(メゾソプラノ)、ジョルジオ・ベッルージ(テノール)、ガブリエーレ・ヴィヴィアーニ(バリトン)と、中堅・若手の4人の実力派歌手が出演する。新たなコンビの船出を見守りたい。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年9月号から)

9/24(水)19:00 Bunkamuraオーチャードホール
問:しゅくみねっと03-5468-5517 
http://sawakami-opera.com