東京二期会《イドメネオ》稽古場レポート vol.3

 9月12日から新国立劇場で上演される、東京二期会&アン・デア・ウィーン劇場共同制作、オペラ《イドメネオ》、稽古場レポート第3弾。
 
 今日は、先日の続き、第1幕で1番の盛り上がりをみせる場面です!

(2014.8.18 都内練習所。 Photo:M.Terashi/TokyoMDE ※写真はクリックすると拡大します)

【第1幕第4場】
イダマンテを密かに愛するのはイリアだけではありません。エレットラも同じくイダマンテを愛しているのです。
嫉妬にかられたエレットラ(田崎尚美)とイダマンテ(小林由佳)
 

 

 

 

 

 

【第1幕第6場】
エレットラ(大隅智佳子)は激しい嫉妬心をイリア(新垣有希子)にぶつけます(元のストーリーではここではエレットラ一人、独白の場面ですが、今回の演出ではイリアに激しくあたるエレットラという設定)

 

 

 

 

 

【第1幕第7場】
激しい嵐のなか、イドメネオ(与儀巧)が流れ着きます。
今回の演出では、船ではなく、「ベッド」に横たわるイドメネオが運ばれてくる設定。
ステージ一番奥の高い場所からベッドがなだれ込んできます。ここはかなりの緊迫場面で、横たわるイドメネオも必死です!

エレオノーラ「イドメネオは肉体的にだけでなく、精神的にも病んでいる。難破して、おぼれて悪夢を見ている。白いカーテン、ベッド、パジャマ、という設定で、ここが病院というのがわかるでしょう」
 

 

嵐のなかで逃げ惑う人々に演技をつけるエレオノーラ。
「もっと音楽にあわせて腕をこう高く上げて渾身の演技で!」
 

 
 

 
 

 

 

このシーン、音楽がとてもカッコイイ!
ぜひ下記で試聴してみてください。(会員登録なしで無料で聴けます)
●エレットラのアリア
アレクサンドリナ・ペンダチャンスカ – Alex Penda (ソプラノ)
フライブルク・バロック・オーケストラ – Freiburg Baroque Orchestra
ルネ・ヤーコプス – Rene Jacobs (指揮者)
http://ml.naxos.jp/track/658948
●合唱
RIAS室内合唱団 – RIAS Chamber Chorus
フライブルク・バロック・オーケストラ – Freiburg Baroque Orchestra
ルネ・ヤーコプス – Rene Jacobs (指揮者)
http://ml.naxos.jp/track/658949

【第1幕第8場】
イドメネオ(又吉秀樹)
「われわれは助かった!」

今回与儀巧さんとともにイドメネオのタイトルロールに抜擢された又吉秀樹さんは、今年2月に上演された《ドン・カルロ》でタイトルロールを歌った山本耕平さんと東京芸大で同期。当時、山本さんは29歳、そして、いまや二期会の看板とも言うべきテノール福井敬さんも29歳で《ラ・ボエーム》で二期会の主役デビュー飾っています。
彼らに続き、又吉さんも29歳で主役を担うことになり、今後が期待されるひとりです。
 

 

【第1幕第8〜9場】
目覚めたイドメネオ(又吉秀樹)が悪夢をみているシーンです。
 

 
 

 
 

 
 

 

【第1幕第8〜9場】
そして、自分に亡霊が取り憑いている(血だらけの助演が亡霊を演じます)と独白する場面〜アリア〈私の周りに恐ろしい亡霊が〉

ちなみにこのシーン、24日(日)20:20からのNHK-FM「リサイタル・ノヴァ」で実際に又吉さんの歌が披露されます。こちらもチェックです!
https://ebravo.jp/tvfm

 

 
 

 
 

 

【第1幕第10場】
イダマンテ(山下牧子)「愛する父を私はふたたび見出し、そして、また失った・・・」
 

 
 

 
 

 

 

イダマンテを気遣うアルバーチェ(大川信之)
 

 
 

 
 

 
 

 

こちらはもうひとつの組、イダマンテ(小林由佳)とアルバーチェ(北嶋信也)
 

 
 

 
 

 
 

 

【インテルメッツォ】
人々がイドメネオを助けたネプチューンを讃えるシーンです。
今回の演出では、人々がイドメネオを讃える設定にしています。
 

 
 

 
 

 

 

DSC_3898s人々が王を讃える準備をし、敵味方なくそれぞれが交流し友好を示します。
 

 
 

 
 

 
 

 

ところが、悪夢を見ているイドメネオはなぜ自分を讃えているのかわからず、その場をうろつく。
 

 
 

 
 

 
 

 

DSC_3982s

DSC_3995s
そして、ネプチューンとの誓約で自分の息子イダマンテを生け贄にしなければならない自分を讃える人々とネプチューンを讃える賞賛の間でもがき、終には狂ってしまいます
(第1幕終わり)
 

 
 

 
 

 
 

 
 

 

ウィーン・オリジナル・プロダクション《アン・デア・ウィーン劇場との共同制作》
東京二期会オペラ劇場 

オペラ《イドメネオ》全3幕
日本語字幕付き原語(イタリア語)上演

2014年9月12日(金) 15:00 13日(土) 15:00 14日(日) 13:00 15日(月・祝) 13:00
新国立劇場 オペラパレス
上演予定時間:約3時間30分(休憩1回を含む)

■指揮: 準・メルクル
■演出: ダミアーノ・ミキエレット

■キャスト
●9月12日(金)/14日(日)
与儀巧 / 山下牧子 / 新垣有希子 / 大隅智佳子 / 大川信之 / 羽山晃生 / 倉本晋児
●9月13日(土)/15日(月・祝)
又吉秀樹 / 小林由佳 / 経塚果林 / 田崎尚美 / 北嶋信也 / 新津耕平 / 倉本晋児

合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団

■チケット
S18,000円 A14,000円 B10,000円 C8,000円 D5,000円 学生 2,000円
※学生席は二期会チケットセンター電話のみの取扱い

■問
二期会チケットセンター 03-3796-1831 
東京二期会オペラ劇場 http://www.nikikai.net/

関連記事
●東京二期会《イドメネオ》稽古場レポート vol.1
https://ebravo.jp/archives/11875

●東京二期会《イドメネオ》稽古場レポート vol.2
https://ebravo.jp/archives/12090

●準・メルクル インタビュー
https://ebravo.jp/archives/11944