柴田智子のサラダ記念日コンサート Vol.10

10回記念は“アスパラガス”のイメージで

 ソプラノ歌手として本格的なクラシックのステージに立つ一方、クロスオーバー・ミュージックにおける先駆的なヴォーカリストとして、ラッセル・ワトソンやSMAPなど多彩なアーティストとのコラボレーションや、ミュージカルや作詞、ラジオ・パーソナリティの分野でも活躍する柴田智子。そんな彼女の多面的な魅力を、盛り沢山に野菜を詰め込んだサラダ・プレートのように味わう『サラダ記念日コンサート』が、10回目の節目を迎える。
 東京に生まれ、単身ニューヨークに渡って、働きながら名門ジュリアード音楽院などに学んだ柴田。英語版によるオペラ《夕鶴》のヒロインを演じるなど現地での音楽活動も順調だったが、今度は本場のオペラを学ぼうと、新天地ミラノへ。そこでさらなる研鑽を積み、帰国後は新国立劇場などオペラの檜舞台に出演する一方、ジャンルを超えた活動を展開。チャリティーや音楽を通じたセラピーなど、心と体に優しい生活の提案も続けている。
 10回記念のステージは、太陽の香りを吸って、すくすくと伸びてゆくアスパラガスをイメージ。柴田の瑞々しい歌声が、フルートの上野星矢やヴァイオリンの桜井大士、ピアノの内門卓也ら俊英たちの音色と溶け合い、未来への希望の調べを奏でる。そこで紡がれるのは、オペラの名アリアなどクラシックはもちろん、映画音楽、ミュージカルからの魅惑の調べ、そして現代作品など実に多彩。今回、柴田が歌う曲のほとんどを新進気鋭のコンポーザーピアニストの小田朋美が手掛けているのも注目だ。また、野菜ソムリエの牛原琴愛(ことえ)らによる、健康に関する楽しいトークも聴ける。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年6月号から)

★7月5日(土)15:00・王子ホール
 13日(日)12:00 15:00・自由が丘オペラハウス
問:サンライズプロモーション東京0570-00-3337
  フロレスタン03-6457-4695
http://www.tomokoshibata.com